お金を振り込んでくれる優しい人がいるのですが…

先日、見知らぬ人からお金が振り込まれていました。生活に困っているため、非常にありがたいのですが、誰だか分かりません。このお金は使って良いものでしょうか。もし、善意で振り込んでくれたならば、一言お礼が言いたいのですが…。

貸付詐欺です。すぐに警察に届けましょう

突然の入金に驚かれたと思います。しかし、残念ながらそれは優しくない人からの入金です。「押し貸し」と言って、貸付詐欺の一種です。どこかから口座番号を入手し、勝手にお金を振り込み、しばらく経ってから「返済が滞っている」という連絡をして、高額な利子を払わせるという悪質な手口です。

そのお金には絶対手をつけないでください。そして、すぐに警察に届け出ましょう。できるならば、口座は解約し、携帯電話の番号も変更した方が良いでしょう。警察からのアドバイスがあれば、それに従ってください。

もし、お金を使ってしまったり、そのまま放置しておくと、ある日突然脅迫まがいの督促電話が掛かってきます。借りた覚えがないのに、口座に振り込んだから貸したというとんでもないことを言ってくるのです。もちろん、契約も交わしてないのに返済する必要はありません。しかし、相手は迷惑電話や嫌がらせなどで、被害者を精神的に追い詰めていきます。そして、事が済むならとお金を払ってしまう人がいるのです。

生活にお困りならば、きちんとした正規のキャッシング会社と、きちんと契約を結んだ借入をお勧めします。困った分だけ借りるようにすれば、返済の負担も少なくて済みます。怖い電話も一切ありませんし、そもそもそのような取り立ては法律で禁止されています。不審なお金は使わず、自分の意志で借りたお金を使いましょう。

カードローンは見知らぬ人を信じてお金振り込んでくれる優しい人

もし、見知らぬ人から、「私の免許証と去年の源泉徴収票のコピーを預けますので、年利15%で50万円貸してくれませんか?」と頼まれたらどうしますか?普通は断りますよ、ね?見知らぬ人だけでなく、職場の同僚や学生時代のクラスメートから同じ事を言われても、「いや、それはちょっと…」と断る方が圧倒的に多いでしょう。

カードローンは、この願いを商売として叶えてくれているものです。極端な表現に感じるかもしれませんが、実態は「どこの誰だか知らない人に、担保もなく数十万円~数百万円のお金を振り込んでくれる人」と同じなんです。個人の信用情報などを審査した上で貸しているとは言っても、いつ踏み倒しされるかわからない状態であることに変わりはありません。

カードローンは「信用」で成り立っています。ちょっと哲学的な言葉を使えば、性善説の上にあるということでしょう。もし、性悪説でカードローンを考えたら、無担保でお金なんて怖くて貸せないという結論になるでしょう。それだけ銀行や消費者金融という業界は不安定な要素で経営されている業界だというのがわかります。

「サラ金」と聞くと、いいイメージを持たない方も多いでしょう。昔の「貸すだけ貸して、返せなくなったら無慈悲に追い込む取立て」が、その根幹にあることは否定できない歴史的な事実です。しかし、今は法律の改正によって過剰な取立ては禁止され、グレーゾーン金利という曖昧な高利のしくみもなくなりました。昔のイメージだけで今を判断するのは決して正しいこととはいえません。

「信用だけで見知らぬ利用者にお金を振り込んでくれる人」がカードローンであるなら、その信用を傷つけないように正しく使い、正しく理解する。それが利用者の義務でもあります。もし、利用者全員が踏み倒しや音信不通などにならなければ、カードローンはもっと審査が甘く、誰でも使えるものになっていくはずです。

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